著者:真田 幸俊, サイバネットシステム
ISBN:978-4501321000
CDMAの技術と理論を理解したい技術者向け。シミュレータを使う応用問題を添付,視覚的な検証が可能
携帯電話サービスの「cdmaOne」のおかげで,CDMAという用語は一般のユーザーでも聞き慣れた用語として定着した。日本語としては「符号分割多元接続」という耳慣れない言葉。実体は同じ周波数帯の電波を複数のユーザーが効率よく共用する接続方式を指す。
本書の前半は他の多元接続方式との比較を入り口に,CDMAの技術と理論を解説する。次世代携帯電話のIMT-2000の無線通信方式として,NTTドコモ・グループやJ-フォン・グループが採用を決めたDS-CDMA(本書内ではW-CDMA)方式の技術的特徴の解説にも十分ページを割いてある。
後半は拡散符号と誤り訂正符号の理論を,「MATLAB」と呼ぶアルゴリズム開発言語上で動くシミュレータの「simulink」で視覚的に確認する。検証することで技術的な理解を極めたい研究者には,最適なテキストになるだろう。巻末にはMATLABのプログラム・ファイルとsimulinkのモデル・ファイルなどを納めた8センチCD-ROMも添付してある。